尼崎、通称:アマ。
市外局番は06で大阪だと思っている人も多いが文化圏的には完全に兵庫である。
この年、仕事で関西に戻ることが多かった。ちょっと時間が空けばどこかの駅で下車して街をあるくことをやっており、この日はアマの気分だったらしい。
まずは「阪急塚口」からスタート。この写真は北口。
塚口は阪急神戸線と阪急伊丹線があって、この沿線の中でも古くからにぎわうところ。
塚口駅北口から伸びる商店街。左側に「ローゲンマイヤー」(パン屋)がある。芦屋発祥でイーストと天然酵母をつかった素朴な風合いのパンで人気。この通りの奥右手には「イカリスーパー」。関西では高級スーパーの代名詞です。
左側の電車は阪急伊丹線。塚口ー稲野ー新伊丹ー伊丹とわずか4駅。右側に神戸線が向かい合っているので乗り換えもとても便利である。
塚口駅「南口」は古くからの大型商業施設やバスロータリーがある。
「さんさんタウン」このショッピングビルは35年以上前にできたもので、この沿線でも最も早く駅前開発に着手した駅である。尼崎は大企業の工場が多いので一時期の人口と税収はとても多く、社会福祉などが非常に充実した市であった。市バスもこのようなロングタイプもたくさん導入されており、道路も広く整備されている。"イメージ" はあまり良くないところに思われがちだが、大阪(キタ&ミナミ)・三宮までのアクセスの良さ、生活のしやすさは阪神間の中でも優良都市である。
塚口駅を出て、五合橋線をまっすぐ歩いて阪神尼崎駅を目指す。五合橋線がJRの線路をまたいで大きな高架道路になっているところ。左手に尼崎市役所、右手に六甲山、この下には尼崎市民プールが広がっていた。
更に五合橋線を進むと「東難波歩道橋」にさしかかる。歩道橋上から眺めた「橘通り」。この通りをまっすぐ西へすすむとJR立花駅がある。右奥に市役所と、その背後には六甲山が見える。六甲山が見えるのでここはまちがいなく兵庫県エリアである。きれいな夕暮れ時。
五合橋線と国道2号線の交差点。「十間交差点」もう阪神尼崎駅は目の前。ここまで途中、神社や小学校がある住宅地エリアも歩いたが少し老人率が高く感じた。阪神間でも新しく開発された街(西宮北口)などに人気が移っているのだろう。教育・おしゃれ、とは程遠いイメージのアマなので仕方ないことかもしれないが、古い街ならではの良さもたくさんあると思うで~。
これは国道2号線。この左側一帯は阪神間でも大規模な商店街「三和商店街」が出屋敷あたりまで網の目のように広がる。歓楽街、飲食店、生活用品店、阪神タイガース、とあらゆるジャンルの店が揃い、30年前くらい前までは暴力団事務所も多く、抗争での発砲やら突入やらのニュースをよく聞いたものだ。
阪神尼崎駅近くにある歓楽街、「神田新道」。アーケードのある商店街の1本北側に並行に走っている。昭和のにおいがするで。
「尼崎中央商店街」
ここから入っていくと、たくさんの商店街が右に左に広がり、1日歩いても飽きない。この商店街の南側のエリアはアマの中でも更に古いエリアで「尼崎えべっさん」などの神社や寺など、古い地名が連なる。
阪神尼崎駅。いまはここから直通でなんばや奈良にも行ける。この駅を更に南側に下っていくと、尼崎城の跡があり、「築地」という地名が出てくる。東京のあの有名な「築地」はこのアマの築地住人が江戸時代に呼ばれて移住したのがはじまり。いろいろな技術をアマから伝えて今の東京・築地があるみたいよ。
阪急塚口駅から阪神尼崎駅まで約4kmほどをまっすぐ歩いただけであるが、街の歴史や衰退などをたくさん感じ取れる非常におもしろいところだった。ショッピングセンターありきの新興開発の街には無い、何度も何度も誰かが塗り足したような味わいのある "アマ"
ええとこやで。
photo : 2010/9/23 撮影(記事掲載 2015/2/7)
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