阪神電車・なんば線

阪神電車といえば、大阪梅田の阪神百貨店・西宮甲子園球場という「それいけタイガース列車」であるが、このところ様相が変わってきた。
数年前に「阪急・阪神ホールディングス」なる、阪神間のヒエラルキー両極端な電鉄会社がくっついてしまったからだ。
もう阪急ブレーブスは存在しないがかつて阪急西宮北口駅には阪急球場も存在し、阪神と一緒になるなど数十年前には誰にも考えられないようなことだった。阪急と阪神は一緒になってはいけない掟があるかのようにすべてのイメージ戦略の異なる会社であり、異なるエリアカルチャーを展開してきたいずれもカラーの強い会社なのである。

これまで、阪神間の住人は大阪・ミナミヘ出るにはどの電鉄会社であっても(北から、阪急・JR・阪神が並行に走っています)必ず大阪駅あるいは梅田駅で下車、大阪市営地下鉄の御堂筋線などに乗り換える必要があった。


そこへ登場した新路線「阪神なんば線」は画期的である。神戸方面から大阪なんばへ1本で行けるのである。それも乗り入れたのは「近鉄奈良線」。

近鉄といえば関西最大の路線ネットワークを誇り、関西の南東部全域を網羅している。

大阪・京都・奈良・和歌山・三重・愛知にまで広がるこの近鉄に、阪神が乗り入れた。

近鉄奈良駅で「阪神尼崎行き」電車を見る不思議。

阪神三宮駅に「奈良」と「姫路」が並んでいる不思議。

阪神電車は、会社は阪急と一緒になったが、路線は近鉄になったともいえる。

京都方面は阪急の自前路線に任せて、大阪ミナミと奈良は阪神が引き受けたかのように見える。阪神間を並行に、みじかく走る印象のこの2路線だが、きちんと終着駅をそれぞれもちつつも、遠くへのびることに成功した。

終着駅といえば、南海(なんば着)と京阪(淀屋橋着)というこれまたカラーの濃い電鉄会社があり、独特の展開でおもしろいことをやっている。関東の電鉄会社は、何をやっても関西私鉄の二番煎じである。

Maki's Kansai Journal

東京在住・関西志向写真ブログ